前回少しだけ触れたヤン・シュバンクマイエル。
言わずもがな有名な映画監督です。
高校生の時に担任に「アリス」のDVDを借りて見ました。その時既に貫禄のある映像だったのですが、当時ジブリとディズニー映画くらいしか観たことの無かった自分にとって、まさに未知との遭遇。新しい、と感じました。
綺麗で幻想的な「アリス」観を、こんな風に表現していいんだ、という気付きのある作品でした。

大学生の時に伊藤高志先生の「映画論」の講義を受けて、映画製作における比喩表現や夢の世界の映像化などを学ぶ機会を得ました。もしかしたら大学生活の中で一番面白い講義だったかもしれません。
6講時目という鬼時間割でしたがずっとノート取っていましたね。
そこで出会ったズビグニュー・リプチンスキー監督の作品は今でも忘れられません。難しく、風刺が効いて怪奇。伊藤先生も、「当時の技術でどうやって作ったのか分からない」と仰っていました。
こう並べると、チェコの映像作品好きですね。
この映画論の授業の中で、たくさんの「変わった」映画を観ました。
ジャン=リュック・ゴダールの「勝手にしやがれ」に使われるオマージュ。スタンリー・キューブリックの「シャイニング」での天才的カメラワーク。
それらに対する先生のコメントを未だに覚えています。
それまで平面相手の美術技法や西洋絵画の授業が多かったので、新鮮だったのかな。
色々と観てきましたが、芸術性の高い作品を学んでも、結局最後は心が動かされる作品が好きです。
一番だだ泣きしたのがミニシアターで観た「ビルマVJ 消された革命」です。
初めて上映後の拍手喝采を映画館で体験しました。ジャーナリスト長井健司さんの銃殺映像が残っている映画です。
公開初日ということでミャンマー関係者の方のトークショーがあり、それがまた良かった。
映画がないと知れない世界の姿ですね。
こんなに世界中ネットで繋がって画面越しで海外旅行を疑似体験出来るのに、まだ知らない世界があるから映画も写真も偉大です。

そうそう、映画話で欠かせない体験があって、戦争映画を観まくっていた時期に行きつけの映画館の人にある鑑賞会に誘われました。作品は8時間の超大作「ショア」でした。上映場所が西成。動物園前下車。
大阪の人間なら分かる、ヤバい所です。
ある集合住宅の1室にスクリーン張って投影。8時間。みんな明日の日雇い仕事がどうこうと情報交換していて、ビックリしたのと同時に「映画ってすごい、表現の力ってすごい」と思わされました。
主催の方が大学の先輩に当たる方で、日雇い仕事しながらその時に集っていた方達と自主制作映画撮っているらしかったです。あれは、若かったとはいえ良く行ったな(笑)飛田のすぐ横でしたしね…。
びっくりしたけど面白かったです。
この時に観た「ショア」、なーんか冒頭見覚えあるなと思ったらNHKで放送していたのを大昔に観ていたんですよね。巡り合わせです。

iPhoneのデータ移行に時間が掛かって、その合間に文章を書こうと思ったんですがなんと2時間経ってもまだ終わらない…。諦めます。〆。